あ「優秀な営業が退職したいと急に言い出してしまって、どうしたらいいでしょうか。」という相談をしばしば受ける事があります。すべてに有効な施策がある訳ではありませんが、その理由を分析して適切な施策を採れば引き止める確率を高める事は出来ます。まずは、退職希望者が少ないのか、多いのかで根本的な対応方法が変わってきます。退職希望者が少なければ、出来る限りの個別対応を採りますが、退職希望者が多い場合は会社の仕組み(評価、賃金水準、営業方法など)として見直しが必要です。今回は、個別対応の引き止め方に焦点を当てたいと思います。営業の方が会社を辞めよう/転職しようと思う理由は何でしょうか。経験上、「給与が低い」「タイトル(職位)に不満」「仕事が面白くない」が多い理由だと思います。それぞれの対応策を考えてみましょう。

①「タイトル(職位)に不満」
職位とは、課長、部長、リーダー、マネージャ、シニアマネージャというポジションの事です、まずは、その方の職位が社内外と比較して妥当かどうか確認します。職位が職務等級を結びついている会社では、同じ等級である場合「売上げも評価も良いのに評価の低いあいつと同じか」ということから不満に思う営業の方も実は少なくありません。こういった場合であれば、同じ課長でも特命課長、特任部長のように、役職の頭に同じ役職でもちょっと違うというニュアンスの役職名を付与し、それに見合った目標設定をすることで引き止めを図る事が出来ます。当然ながら、会社として引き止めするくらいの人材ですから、それに合う目標設定、妥当は評価は忘れずに行います。

また、対外的に競合他社と比較して「向こうの会社では課長なのに、うちではタイトル無し」ということを不満に思う方もいます。この場合、会社としての職位そのものは変更出来ないので、職位に影響しない、リーダー、グループリーダー等のタイトルを付ける方法もあります。ちょっとした工夫ですが試す価値有りです。

②「給与が低い」
営業の多くは、基本給と売上に応じたコミッションの賃金体系です。他社と比較しても相対的に給与水準が低い場合は、コミッション部分を売上げと連動させて目標達成時の金額を上げる制度を採ります。基本給を上げてしまうと売上げに連動していないのでコミッション達成への意識が弱くなるだけでなく、固定人件費が増加するので良策とはいえません。数字への強いコミットメントは常に意識させなければならないので、簡単に固定部分の基本給は上げてはならないのです。なので、高い売上に対する目標設定をし、達成出来れば昇給、昇格で報いることで人事制度の整合性を保ちます。

③「仕事が面白くない」
これこそ、理由により対応策は様々です。一人で数字を上げるのが得意な営業の方が昇格して管理職になり、部下を持つ事になりますが部下のマネジメントをする事に不満を持つ場合もあります。優秀なサッカー選手が良い監督になるとは限らないのと同じです。であれば、部下無しの営業エキスパートのキャリアパスを準備する事も解決策になります。裁量権が小さいことに不満をもっている営業の方には、開拓出来てない新規顧客や事業開発への配置を検討する事が出来ます。

理由別にざっと見てきましたが、本来は退職理由を蓄積、分析する事で個別対応から会社の仕組みに落とし込み、モチベーション高く仕事が出来る環境を整備することが最大の営業の引き止め方法かもしれません。