「え!そうなの!あの人たち、不倫だったんだ!」

昔、私がプロジェクトでお世話になった会社の方との話です。私は全く気付かなかったのですが、その会社内では社内不倫が多いようでした。不倫と気付いても、上司が不倫を止めてとはなかなか言い難いので、多くの場合は人事部に相談があります。人事部は就業規則の懲戒事由に記載されている「社内秩序を乱した」に該当するかどうかを検討することになります。該当しない場合は、口頭注意等で済ませる場合が多いです。人事部としては、注意したのでこの件は終了としがちですが、問題が発生するのはこの後なのです。

不倫当事者にとって、人事部の注意は余計なお世話ですので、その後も関係を続けます。しかし、不倫関係が終わる時、不倫がセクハラに変わるかもしれません。社内不倫では男性上司・女性部下のケースが多いのですが、男性上司の方から別れ話を切り出して、女性部下が納得しないと、女性部下は態度を豹変させ「実はセクハラだった」と言い出す事があるのです。(逆に男性上司から執拗に復縁を迫ることでセクハラになる可能性もあります。)こうなると、人事部は大変です。女性部下は本人だけでなく会社がセクハラを容認していたとして損害賠償を請求することもあります。人事部は弁護士と女性への対応方法を検討する一方で、男性への処分も検討する事になりますが、男性は合意の上だったので処分は相当ではないと言い出すこともあります。時間も費用もかかり、当事者も会社も泥沼です。

不倫による懲戒の程度は法令・判例は社労士、弁護士事務所のHPに譲りますので、経営者・人事部の方は是非ご一読下さい。
なお、会社には不倫を含めて様々なトラブル、労務問題が発生します。その場合、会社が従業員に懲戒処分をする為の留意事項をまとめました。該当しない項目がある場合には見直しが必要かもしれません。

①就業規則に懲戒に該当する行為、懲戒の種類を設けている。
②懲戒対象者、及び関係者に事実関係を把握するヒアリングを行っている。
③懲戒対象者に弁明の機会を与えている。
④懲罰委員会を開催し、議事録をとっている。
⑤懲戒内容が過去の懲戒内容と比較して妥当である。二重処罰ではない。
⑥懲戒対象者に再発防止、及び懲戒に対する同意を書面で残している。
⑦懲戒対象者が特定される様な社内公表をしていない。

懲戒処分に関する労使トラブルが発生した場合、当該処分が妥当であることを示す為にも書面を残す事が重要です、また、就業規則を作成する義務がない10人未満の企業であっても、労務問題対応する為に早期に就業規則を整備することをお勧めします。